やがてかなしき競泳水着

競泳用水着が生き残りのピンチだそうである。芸能人水泳大会で西城秀樹が履いたあの形である。かつては五輪や水泳部はみんなあの形だった。ブーメラン水着。不思議な名前だが、ブーメランに似てるのだろうか?ブーメラン、ビキニ、競泳パンツなどと呼ばれるこのカタチが今や絶滅の危機なのだ。


 膝までの長いスパッツが主流になる中で、露出度の高い競泳パンツが、若者に敬遠されるのは不思議ではない。それ故売れないから生産大幅減からもしくは中止、まぁ当然の流れである。機能的ではあるが、何気に恥ずかしいという。


社会人なりたての頃、住んでいた区民の住民健康増進のため、社会人の水泳教室が開かれた。応募したところ当選し参加することになった。規定で水着は競泳パンツだった。近所のマルイで選び放題種類があって、地味なものを選んで買った記憶がある。


最初恥ずかしかったので、上にサーフパンツを履いてプールサイドに向かうと、インストラクターに、その水着はちょっと!と言われプールサイドで宮崎美子的に短パンを脱いだ記憶がある。

結局仕事の関係で教室に通い通すことはできなかったが。


その後ジムのパーソナルなど習う機会があれば飛びつき、反射神経で水着はブーメランを選んだ。ジムのプールなんかはそれが普通だった。


何より動きやすいし、荷物にもならないのが嬉しいし、人目も大抵プールの中にいるので気にならない。ジムの更衣室で絞ればほとんど乾いてしまう実用性。実にユーザーフレンドリーなのだ。遊ぶ時とは違ってこれから水泳習います、という心構えの競泳パンツという感じだ。


ところが時代が進み、膝までのスパッツや、ショートボクサーが主流になり、ビキニタイプは影の存在なったようである。自分が使っていたものが市場から消えるのはなんとも寂しいものだが、腿や足の付根が抑えられるような水着に慣れていかないといけないようだ。鈴木大地が金メダルを取ったときを思い浮かべ、水泳に勤しむには随分時が流れ、今や入江俊介ばりのスパッツタイプが、イメージなのだ。どうしても息継ぎで止まってしまう、水泳の授業も、またゴール目指して再開させないといけない。