半澤もじぇじぇじぇもいいけど大人の法廷ドラマ

日本では陪審員による裁判が始まったとはいえ、
法廷もの、というドラマジャンルは、
陪審員裁判の歴史が長いアメリカさんにはかなわない。

アリーマイラブなんかも、
コメディー部分が強調されたり、
「仕事と恋に一生懸命な」的な女性誌形容詞で
ラブコメみたいな扱いだけど、
裁判で争われているケースは、今のアメリカや女性のあり方を根本的に問う
社会派ドラマと言える。

そこで「LAW AND OEDER」
20年続いた、というその人気が、このドラマの骨太さの照明でもあるのだけど
構成はシンプル(というかワンパターン)

まず事件が起こる。
平凡な日常の中で、死体を見つけることもあれば、
殺人事件が展開することもある

そこに刑事二人が登場。
アドリブ的なギャグも込みながら捜査が続く。
(ジュリア・ロバーツの元彼氏のベンジャミン・ブラットと
ディズニーの「美女と野獣」のルミエールの声も担当していたジェリー・オーバックの
コンビは最高、多分ジェリーは相当ギャグでアドリブを飛ばし、ベンジャミンらが
笑って台詞が言えないシーンも相当ある、殺人現場なんかで頻発するんだけど)
上司の警部補は黒人女性というお約束
(なにせ放送期間が長いので人は変わっていくが構成は同じ)

起訴された時点で舞台はニューヨーク州の検察に。
これも構成は美人検察補に、検察官、老いぼれたその上司の3人。
ボスは検察のメンツのために、やたら司法取引を検察官にすすめるのだが、
検察官は正義感に燃えているので、内部の対立も起こったりする。

裁判の過程で、海千山千の弁護士と闘争を繰り広げ、
判決。

判決に水戸黄門的な勧善懲悪は期待できない。

差別問題に置き換えて黒人被告が勝利したり、
お金持ちが判事を買収していたり、
警察の捜査の粗さから、証拠が認められず、勝てなかったり、
陪審員の中で結論に達することが出来ず、審議が終了し、
殺人犯が放免になったり…。

後味悪く終わるパターンも相当ある。
検察が勝てる可能性は五分五分かもしれない。

ドラマとして描かれる事件は、冒頭と終わりで、
フィクションであることが強調されるが、
それは実際の事件をモチーフに筋が作られているからで
それも人気の秘密かもしれない。

セレブによる殺人や、
違法な養子の獲得(ブラピ夫妻がやった)
人種間の差別問題、宗教間闘争、虐待、同性愛、汚職、企業買収にまつわる事件、、、。

アメリカの今の問題に対して、架空の事件と裁判の中で、
リベラル的な正義感に燃えた検察と、いかにもアメリカ的な法廷弁護士との死闘。

本気の大人のドラマ、ローアンドオーダー(原題 law and order)は
知る限り一日4話、スーパードラマTVで放送されている。
タイトルで自動録画すると、毎日それだけ溜まっていくが、全く飽きない。
寝る前に見終えて、後味悪い結末に、いつものテーマが流れだすと
最後に必ず正義が勝つわけでない、という現実に、いたたまれない気持ちになりながら
ベットにはいることになることもあるのである。
それが現実世界だからね。