破天荒だけど成功したメディア王テッド・ターナーの人生特番

破天荒に生きてる人、というのは居る。
酒と麻薬に溺れたミュージシャン、そんなイメージ。

問題は破天荒に生きてるのに、世の中を変え、経済的に成功し、
人々に一目置かれる人はいるのか、という話だ。
そして、その一人がテッド・ターナーだと思う。


彼はニュースを変えたCNNの創業者である。
(一番かれの破天荒人生を簡単に知るにはこちら)

その彼が75歳を迎え、
CNNでは特別番組「Ted Turner: The Maverick Man」が
今月末まで何度かCNNで放送されることになっている。
(放送スケジュール、番組内容はこちら)

日本の冗句の1つに、日経新聞の「私の履歴書」を書くと死ぬ、
というのがあるかどうかは知らないが、75歳という年齢で
何故かれの人生を振り返る特別番組が放送されるのかは謎だが
一言でいえば面白かった。

ホストはウルフプリッアーで、
生まれた時から現在までを
インタビューと映像で振り返る。

彼の半生は、既に数冊の本が出ているが、
CNN絶頂期に書かれたものが多い。

CNNをタイム・ワーナーに売り、
最大の株主になった後、AOLがそれを買い、
ターナーは行き場を無くし、(「人生で初めてそして唯一解雇された」)
更に妻の女優ジェーン・フォンダと離婚し、
という失意の時代についてのインタビューや家族、そして当のジェーン・フォンダの
証言もあり、活字で知っていた彼の半生がアップデートされたのは新しい発見だし
CNN放送当時の映像を沢山みれたのも60分の番組の見どころの一つだった。

世の中の出来事について自分の意見がある場合は
社長という立場から、CNNで自説を述べる権利がある、と信じ
(後に周囲に説得されやめる)
CNNは世界平和の為に役に立つと南部の人の特徴、素朴に信じる彼は
実は24時間ニュース専門局というコンセプトを思いつき
資金を流し込んだ、という事意外に実はこの局の成功に貢献したことはないのかもしれない
(実はそれができる人はいないのだが)

ニュースの世界に多かれ少なかれ携わってきたものとしては、
CNNの裏側に純粋に興味があって、彼の人生そのものには
そんなに興味ないかも、とおもって来たのだが
いやいや、凄い人生である

今は環境保全の運動に取り組み
自分で育てた牛を調理するステーキハウスを経営する悠々自適な生活

最近の世の中はFACEBOOKだ、Twitterだ、と
ネット世界の経営者が注目を浴びていて
もう放送の世界そのものが話題になることはなくなってきた
素直に寂しい気がする。

世界のニュースの有り様を変えた男の人生、
羨ましいとか、凄いなという簡単な感想だけで
見終えられない自分がいるのを認識しただけでも価値があった、はず。

IT好きが映画スティーブ・ジョブズを見に行くなら
それを遠慮して、僕はこの番組の録画をもう一度見たい気がする
十数年前の生放送のサブの緊張感を思い出しながら。