テレビニュースの神の時代のその先は

NHKBSの「BS世界のドュキュメンタリー」で
JFKの暗殺そのものではなく、
このニュースをどのようにテレビは伝えたか、という番組を放送していた。
「ダラスより速報 午後1時JFK死す」
という番組だ。

ナレーションはケビン・スペイシー。
主役はCBSのアンカーマンだったウォルター・クロンカイト

事件発生から、正式に大統領の死去を彼が伝えるまでを
関係者の声をおりまぜながら伝えているのだが
ポイントとしてはウォルター・クロンカイト絶賛となっている。

曰く
・通信社の記者経験がありアメリカが信頼した人
・報道について自身に強い信念があり、確認できた事実だけを伝えた
・彼が伝えたビデオが今でも繰り返し使われ、暗殺を伝えたのは他の局でもあった訳で
 それが彼がいかにアメリカ人に信頼されていたかがわかる

などなど。

なんかもう神なんだけど
この番組の中の再現シーンで、
CBSイブイングニュースの放送が始まって、リビングのテレビに駆け込む人にシーンがあった。

これを見た時思ったのだけど、
ウォルター・クロンカイトはいい時代を生きたのだな、と。

当時は、そして、そこそこ最近まで
ネットワークの夕方のニュースは、アメリカ人のニュースの中心だった。

しかし、その後、
ニュース専門チャンネルが出来、CNNからFOXに主導権が渡り
その後インターネットにスマートフォンと変化が止まらない。

彼が今の時代を生きていたとして
果たしてどのような賞賛を受けたのか、
ネットの新興メディアニュースサイトに居たとして、
どのような仕事をしたのか、など妄想をはじめてみると
いい時代を生きたのだな−というのが僕の結論だった。
ネットワークは生き残りのため、
テレビ番組をなんの収入のあてもないのに
毎日Podcastにあげているのは、とにかくテレビとの接点をなくした若者と
接点を持ちたいという思惑ではないかと想像するほど先が見えない状況になっている。

奇しくも、ケネディ大統領暗殺の現場の記者だったダン・ラザーは
その後イブニング・ニュースのアンカーの座を射止めたが、
その後ブッシュ大統領の軍歴について
間違った報道をした責任を取って辞職したのだが
この間違いを正したのがブログだった、という辺りが
今の時代を象徴していると思わせるのである。

もちろんネットのニュース最高!というような状況が生まれているわけではないあたりに
更に混沌とした雰囲気を感じてしまうのである

神的に讃えられる人がいた時代は
ある意味、安定したいい時代だったのかもしれない(民主党的に)