「美味しんぼ」はディズニーランドを超えた夢の王国

昨日、柄にもなく日本橋高島屋の食料品売り場に行った

結構なお年の裕福気なご婦人方が
お店の人になんかいろいろ無理なリクエストしてるシーンが多いのも
この店ならでは、という気がした。
どんなにAmazonが進化しようとも関係ない人々がいる。

そんな中、店を宛もなく歩いていると、
(お盆の帰省に際し、母親からのお使い命令はこなして)
急にとうもろこしの強烈な香りが鼻を突いた

焼いた醤油の香りではなく、生の香り。
その直後に桃、そして青菜の香りも

何事かと周りを見ると、京都の野菜やさんの看板が下がっていた

なるほど、村上春樹の「ダンス・ダンス・ダンス」では紀伊国屋だったけど「きちんと調教された野菜」というのは、こんなにも強烈な香りがあるのかと驚いた

折しも、CSの再放送で「美味しんぼ」を見てるのだが
この漫画の中で「美味しい」、とされるものは
正しい食材、調味料、そして正しい調理法で作られた料理なわけだが
そもそも(村上春樹風に言えば)「高度資本主義社会」では
効率が優先され、野菜の形をした野菜のようなものを地元のスーパーで購入するのが日常である
地元のスーパーでは、残念ながら、ここまで強烈に己を主張する野菜なんて見たことない。

つまり、高島屋だ、紀伊国屋だ、伊勢丹だ、に趣き、
野菜ひとつにコンビニの弁当くらいの金額を払えば
山岡さんが言う正しい食材を手に入れられるけど、
中流な私は、まぁ、美味しんぼうでも読んで、
世の中には本物の食材ってものはあるのはわかるけど、
まぁ、日常生活では、中国やら、工場やらで大量生産された食材を食べて、たまに趣味で、昔はみんな普通に食べていた有機野菜なんかを食べ、正しい事をしている、って気持ちになるのがせいぜいな世の中、というか階級に生きてる、って事を痛感したわけである

近所のスーパー売ってる鶏肉のほとんどがブラジル産で
鮭はノルウェーで、どうもそんなものを食べるのは控えたいと思うし
やたら国内産材料を主張するレストランで、そんなに美味しいものが食べられるわけではない

しかし一方で、近所にある一万円払うと由緒正しい食材と
無化調の調味料でマスターが一人で作りあげた素材をいかした料理を食べさせてくれるお店の味が筆舌に尽くしがたいのもコレまた事実で、
つまるところ、食事的な正しさを求めると、コストがかかる世の中で
健康を気にしながらも、なんか、こう、食事的に正しくない食事を、時間的、経済的効率を考えて、なにかを多分犠牲にしながら、毎日生きている気がして、美味しんぼう的な世界はディズニーランド以上に夢の国に思えるのである。


このブログの人気の投稿

珍事!新笑点メンバーが放送前に明らかに!

世の中知らないことばかり。

ぽっぽ