「一億円のさようなら」が面白かった。
著者の白石一文は、元文藝春秋の編集者。給料を貰いながら、文学の勉強したのね、という誠に持って羨ましい生き方だ。
この本は舞台は福岡。僕の好きな街が細かく書かれている。しかし、話はジェットコースターのように展開し後半の舞台は金沢に。とにかく話の展開が早くて、一度読み始めると次はどうなる?ときになり、最後まで一気に読みたくなる。
海外旅行に、もっていくと、飛行機の中で、寝ないで読んでしまうので注意が必要。
少しだけ話のきっかけを書いておくと、奥さんが数十億の財産を持っていることがひょんな事でわかり、奥さんを信じられなくなる。子供二人も勝手な行動をして、俺はもう俺の人生を生きる!と妻と離婚して、街を捨て、つまらない仕事も辞め、妻からもらった一億円を手に新たな生活を金沢ではじめようもする。金沢で偶然であった、はちまき寿司の店を始め、大ブームになり、チェーン化などの考えが膨らむ一方、以前働いていた同族会社でも問題が起こっていた、というもの。
とにかくその場その場の生き方がかっこいい主人公。男気があると言おうか。いつでも場の中心にいて、人に頼られ、相談を受ける立場におかれてしまう。そんな主人公が、自分の人生を切り開こうとしても、常に誰がのためを思って引いてしまう、そんな状況でもどんどん頼られていく、そして物語は進んでいく。ちょっと厚めの500ページもあっという間に読めてしまう。福岡や金沢の街の詳細な描写が出てくる。そんな描写があってリアルに感じられるけど、まぁ大人のお伽話という面もあるかな、そんなに甘くはないけど。話に出てくるささやかなエピソードが、次の場面への振りになっていて、油断できないというか、とにかく気になってどんどん読み進んでいくタイプの小説だった。
このさっか、初めて読んだが、この作品のインパクトが強すぎて、次の作品で裏切られたくなく、次を読めない作家。わかってもらえるかな?次はこれで間違いない、というのがあれば、コメント欄ですすめてください。
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