そんなのを見ると、色彩のない、4コマ漫画時代のサザエさんがたまらなく冒涜されている気分になる。
戦後、サンフランシスコ講和が、全面なのか、部分なのか、普通選挙が行われる雰囲気や、引き上げてきた家族の喜びみたいな話から始まり、高度経済成長で、日本列島改造論が華やかりしころの雰囲気を、サザエさんを通じて知ることに意味があると思う。
加藤みどりの声のサザエさんではなく、長谷川町子の声を聞かないと、と今NHK衛星の「マー姉ちゃん」の再放送と長谷川町子美術館のインスタのアカウントを見て思うのだ。
カツオがiPhone片手に中島くんに「しもしも?」とか言ってる雰囲気ではいけなくて、あくまでもご近所さんから、磯野さん電話よ、と呼び出されないと、サザエさんではないのだ。
まさか、そんな話を日曜日の夕方にするわけには行かないので、磯野さんのお宅には電話も引かれているし、4コマ漫画でも、どこかのタイミングで電話は引かれているのだろうが、携帯電話はもし出てくると、もうそれはもうサザエさんではないし、SFの世界になってしまうのだ。
アニメのサザエさんを見なくなって久しいのだが、たまに姉妹社版の古いサザエさんの単行本を開くと、昭和の雰囲気が心地よく、ワカメの天真爛漫さが目立つ4コマ漫画の世界を楽しむと豊かな気持ちになる。戦後の世相を想像しながら、日本の戦後史をサザエさんで読み解く楽しさや、これ。
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