ある銀座通り商店街での決断

 


かつて銀座の名前で呼ばれた商店街はどこの街にもあった。コンビニ、寿司屋、スーパー、酒屋、肉屋、本屋・レコード店などで賑わった銀座だった。 


そこに百貨店と名乗った化粧品屋があった。薬も扱っていて、資生堂の椿なんやらの雑誌も配るわ、風邪薬も配達してくれるはなかなか愛想の良い旦那が切り盛りするにごぎやかなお店だった。


銀座が寂れた。人通りはなくなり、お店はシャッター通りになり、どんどん更地になった。


ここでなんとか百貨店は決断をする。

化粧品や市販薬を扱う店を畳み、処方箋薬局になろう、と。


幸い、銀座通りの、どんつきには大型の病院があった。


この転換に成功したのか、地元のスーパーがその店でしか支えないポイントを武器に薬局をやっていても、どっこい生き残っている。なんとか薬局からのお客さんだろう。そこの愛想の良い主人は若くしてなくなったが、奥さんや子供を知る地元の人が、こんにちは~と言いながら、処方箋を渡している。

決断をして大成功である。もし化粧品や市販薬を売っていたら、周辺にはどんどんチェーンのドラッグストアがポイントで客を集め、ホコリだらけの店になっていてはずだ。


こんな見事な転換をしたみせを他に知らない。

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