日本の文豪は癖がつよーい。

 谷崎潤一郎は陰翳礼讃を読んで、その美意識に惚れて、何話か他の小説も読んでみた。


琴の女師匠が弟子の男を今で言う性的虐待したり、一軒家に女の子を飼育するような話があったりとか、ちょっときつくて離れてしまった。


とは言いながら、2年ぐらいかけて細雪は読んでいた。上中下巻の中位から急激に面白くなり、夜も寝ないで昼寝して、読了した。


えっ!これで終わり?という中途半端感とこの話題で終わる?という衝撃にまだ苛まれている。


大学生の頃、アガサクリスティの「オリエント急行殺人事件」を読んでいる、と友達に話したところ「あーあの犯人が全員のやつ?」とオチを言われて、その後読む気が失せた経験がある。


この反省を活かして、「細雪」のエンディングについて、具体的な内容を書くのは、差し控えたい。


市川崑監督で、人気女優を使って、映画化もされているはず。このラストシーン、どんなふうに映像にされているのか、興味ある。


大阪の高級住宅街芦屋を舞台に、女四人の姉妹の特にあねさんのお見合いをテーマにしたこの小説、京都や心斎橋の描写も生き生きしていて楽しく読めたけど。



しかしその最後の一文は「谷崎さん、あなたの趣味ですか?」と聞きたくなるような、マニアックな性癖のとろで終わってる。

文豪の作品は、谷崎潤一郎や三島由紀夫等独特の美意識や性癖に基づいて書かれていて、こんな作品が教科書で紹介されているというあたりに、人間の悲しいほどの性を感じてしまう。


こういう人に話せないような僻を文学にまで昇華させたところが凄いよね。