僕の会社の先輩(でも定年同期)は今をときめく慶応高校の野球部出身だ。
その会社を去って随分経つが、近所に住んでいたこともあって、未だに遊んでもらってる。
辞めたくて仕方がなかった職場で、心を閉じて、余計な付き合いからは逃げていたが、この先輩は何かと声をかけてくれて、よく飲みに行ったり焼き肉を食べに行ったりした数少ない先輩だった。
神奈川県大会の応援には毎年行っていたようだが、今年は甲子園出場を果たし、試合の時は毎回甲子園まで行き、応援していた模様。
勿論今日も、当時の野球部の同級生達と甲子園で応援することだろう。
僕が高校3年生のとき、野球部が県大会で順調に勝ち続け、決勝戦。
いわき市で行われた試合にみんな応援に行ったが、ぼくは全く関心が持てず、テレビ中継すら見ないで「笑っていいとも!」を見ていた。
甲子園に進出したが、当然炎天下で応援するなど想像もできず、甲子園の騒動など知らないうちに秋を迎えた。
仮に吹奏楽部だったりしたら、アルプス席で、コンバットマーチを吹きたい!というモチベーションがあったかもしれないが、吹奏楽部でもなかった。
この頃から、祭の騒ぎに夢中になれずに、遠くから眺めるタイプの人間になった気がする。徳永英明「壊れかけのRadio」的な。
とはいえ、大学生になって、神宮の野球はそれなりに熱中した。
芥川也寸志が作曲した、勝った時だけ歌われる歌が異常に良い曲だった。
入学した時に、カセットテープをもらう。
その中に校歌や応援歌が収録されていて、芥川也寸志の格調高い曲を初めて聞いてロックオンされたが、勝つ機会が無く、神宮で歌う事は無かった。
さだまさしのアルバムに「甲子園」という歌がある。結婚を決めて実家に二人で帰りたい男と煮えきらない女が喫茶店で甲子園を見ながら、全國の高校球児は甲子園大会の地方予選も含め、優勝したチーム以外、みんな平等に一度しか負けて無い、という歌詞がコペルニクス的展開で良かった。
そうだよね、地方大会で負けた学校も、甲子園の決勝で負けた学校も一度しか負けてないんだよね。
勝った回数は激しく違うけど。