あり、おり、侍り、いまそがり。

 僕にとって、「美味しんぼ」は食のバイブルである。


よって、富井副部長の粗相とかどうでも良くて、シリアスな漫画として正座して拝読している。


でも、笑ってしまったシーンがある。



直感的に笑って、念の為意味を調べて笑った。


過労で倒れた息子の嫁(栗田さんね)を見舞った海原雄山。最初は弟子の良三くんに手作りアイスを病室で作っていたが、途中から、雄山自らアイスを作るシーンをみたオチヨのリアクションかこれ。

「お手ずから?」


古語のようです。

ネットの辞書で調べてみると、

「それ以後は宮がお手ずから幼い女王の世話をあそばされた。」 

与謝野晶子「源氏物語」


これっていわゆる天皇に対してしか使わない敬語なの?と思ったね。



最高敬語って言ったっけ?


まぁ確かに美食倶楽部では、雄山は天皇なんでしょう。古くから仕えてるオチョが天皇のように敬語を使うのは仕方ない。


でもそれを現代の漫画の会話で使う違和感。


これは「渡る世間は鬼ばかり」の橋田壽賀子が突然古い表現を台詞にぶち込んでくるのと似た感覚。


小学生のクリクリ坊主のえなりかずきが「お母さんが夕飯をこさえた」とかのたまうのはないでしょう、現代の家庭では。


もし僕が演出をしてたら、そんな古い表現の台本を一部書き換えて、橋田壽賀子の怒りを買って、緑山スタジオに飛ばされるんだろうな。


でも、このお手ずから、という台詞で、面白い表現を学べたって事は、やはり美味しんぼは人生の教科書だね。


コメント