本田美奈子の曲が気になっている。
「つばさ」という曲。
YouTubeのコメント欄を見ると、途中で音を30秒伸ばす歌い方にみんな凄い、凄いと騒いでいる。
僕には不自然な伸ばし方に思えてこの点は特に感動はないのだが、一つに本田美奈子のこの曲を歌う上でファルセットの使い方の妙に感動した。
そしてもう一つはこの曲の作詞について。岩谷時子さんといえば、加山雄三、越路吹雪、郷ひろみの初期、佐良直美と昭和の高度成長期の作家、というイメージがあった。
ミュージカルの訳詞でもご活躍で、本田美奈子のミュージカル進出で接点があったようだ。
流行りの言葉は一つもなく、ありふれた言葉でできた歌なのに、何この重厚感や説得力。
大正生まれの作家のパワーを感じた。作曲や編曲もいいのだろう。
所で、僕がこの曲を初めて聞いたのは、阿蘇で開かれた服部克久さんの巨大野外コンサートで歌われたバージョン。
やっぱり巨匠のアレンジだとすっと入ってくる。オリジナルはイントロ終わって一番の冒頭からバイオリンの対旋律が出てくるけど、これはないよね。
師のアレンジは冒頭はピアノだけで伴奏される。服部さんはピアノのプレーヤーとして数々のレコーディングにも参加されるほどピアノの名手だ。
音楽監督をつとめられたミュージックフェアにも本田美奈子さんは何度となく出演している。
この番組には何気に服部さんのお気に入りが顔を出すシステムだ。
この曲も番組で歌われていて、その映像があれば野外コンサートではない一流のミュージシャンのバージョンとしてより感動に浸れるのだが、残念ながらユーチューブにない。
服部さんは自分のコンサートやCDにお気に入りの歌手にボーカルとして参加してもらっている。
佐藤竹善、サーカス、大橋純子、渡辺真知子、柳ジョージ、松浦亜弥、谷村新司、森山良子、布施明…
つまり歌の上手い人と仕事を当たり前だけど好んでされた。
本田美奈子もその一人でwikipediaで調べるとオーストラリアのオペラホールで服部さんが招かれたコンサートで本田美奈子に「つばさ」を歌わせたらしい。
すると言葉もわからないし、舐めていた楽団のメンバーが感動した、と。
その意味がわかるこの歌。
途中で音程が不安定になるのはライブということでお愛想。
本田美奈子とタメだった。
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