谷村新司さんとあの方。

 これは服部さんの著書に書いてあるのだが、ある日文化放送の喫茶店でおあった二人、谷村さんが昴の譜面を出し、行進曲風にしてほしいです、と編曲の服部克久に伝えたそうだ。


服部さんといえば、弦が美しい壮大なアレンジをする方で、この曲の編曲を依頼した、という段階で、谷村新司にもある程度イメージがあったと思う。


金管楽器は嫌いなので、ピアノで前奏があるといい、という希望だったそうだ。


一応ピアノのバージョンと、ホルンがうねりなくバージョンと用意しおくと、迷うことなくホルンバージョンが選ばれたそうだ。



日本のみならず中国でも大ヒットした昴。谷村さんの死について中国外務省がコメントを出したことでもその影響力がわかる。


その中国で二人でコンサートをしたらしい。


その時、服部さんの腕時計に気がついた谷村新司。


素敵な時計ですね、と言うと「これ親父の遺品なんだよ」と照れながら答えた、と。


ブギウギにこれから登場してくる服部良一さんは、戦争を嫌い、戦争中、中国の上海で音楽活動をしていた。


その思い出の中国にお父さんを連れてきたかったのではないか、と服部克久の追悼で谷村さんが話していた。さすが詩人の感性だなぁと思った。


ミュージックフェアでは年一回、公開録画が行われた。


その中で、サライを歌っている。


サライのオリジナル編曲は羽田健太郎さん。


しかし、この番組のこのビデオの編曲のいじり方はコーラスの大エンディングを含め、服部さんではないか?と推測したりする。

僕の中では、サライといえばこのバージョンだ。


サビで谷村さんが高いパートを歌ってハモらせる笑顔がいいね。


生で聞く機会はありませんでしたが、たくさん聞いてました。


谷村さん、服部さん、群青で素晴らしいピアノを聞かせてくれた羽田さんと青春時代のヒーローが次々鬼籍に入られ、残念でならない。