一之輔師匠はなぜ面白いのか。

 千早ふる 神代も聞かず 竜田川 

からくれなゐに 水くくるとは


在原業平の有名な歌であるが、

同時に落語でとても有名な歌である。


一之輔さんが落語ちはやぶるの中で、林家はこの話をとても大事にしてる、と語っていた。


小三治さんのこの話をYouTubeで聞くと、あまりの見事さに眠くなる。素晴らしい落語は眠くなる、が僕の持論だ。 


一之輔さんの千早振るは面白い。

弟子の㐂いちさんが、なぜ一之輔さんに入門したのか?という問いに、女子高校生が笑いそう、と語っていたがまさにそんな感じだ。


舞台は長屋のご隠居の部屋。


ご隠居は朝の連ドラのハードディスクへの録画を一話づつ消している。


それを見た、はっつあんは一括消去の技を教える。


ここでなんでも知ったふりをして生きてるご隠居がひとに教わるという非常事態になる。


そしてあとは大筋は伝統的な話。


神保町に月刊大相撲買いに行けとか、多少昔と違う演出はある。


そして最後。(以下ネタバレ)


「とは」の扱いが焦点になる。

林家や一般的には、花魁の本名が「とわ」だった、ということになっている。


一之輔バージョンは、名前の説明をされた八つぁん、納得がい行かず、「家でググるか」。とつぶやく。


それを聞いたご隠居は「ググるとは」と叫んでで終り、という面白い構成になっている。

現代風のリアルの味付けがされていて、面白い、という技である。


違和感がないのが不思議だ。











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