ギャランドゥと昭和の呪縛

70年代から今まで、お気に入りの曲を集めたプレイリストを作ってる。

気がつけば曲数も相当なボリュームで、ランダム再生してると「俺、こんなの入れたっけ?」って曲も出てくる。


最近、その“意外な一曲”だったのが、西城秀樹の「ギャランドゥ」。

Wikipediaで調べたら作曲は、あのもんたよしのりさん。

曲作りのとき、デタラメな言葉でメロディを作っていくらしいんだけど、その中に出てきたのが「ギャランドゥ」だったそうで。

この時点では、言葉に意味はなし。多分「ギャラン」+「do(恋はdo的な)」っていう、昭和らしい語感の遊びだったんだろう。


ちなみに「ギャラン」は三菱の車名でもあって、語源はフランス語で「勇ましい」「華麗な」とか。誰も気にしないけど、意外とネーミングに筋は通ってる。で、この話がさらに面白いのがここから。


昭和のニューミュージックの女王・松任谷由実が、ある日テレビで芸能人水泳大会を見ていた(なんで見てたんだろう𐤔)。

そこにムダ毛フルスロットルの西城秀樹が登場。

で、お腹の毛がバッチリ写ってたのを見て、ユーミンがラジオで「これが本当のギャランドゥよね」と言ったとか言わなかったとか。

これが昭和の名物番組「オールナイトニッポン」で取り上げられて…あっという間に「腹毛=ギャランドゥ」が定着。


そして時は流れて令和。

試しに「ギャランドゥ」で検索すると、一番上に出てくる意味が“腹毛”。いや、笑うでしょ。


思えば、あの時代の言葉の広まり方って本当にすごかった。

今の流行語はXで一日トレンドにのって、翌日には忘れられる。

みんな脱毛してるし、腹毛どころか体毛すらレアになった。


三菱ギャランは? まだあるの? さぁ、知らんけど。

芸能人水泳大会? あれ今やったらコンプラ的にギリギリアウト。水着で歌うって何だったんだろう。

昭和、恐ろしいけど、愛おしい時代だったな。

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