ナンシー関さんといえば、ある年代にとっての「若者たちの神々」の一人だったと思う。
消しゴムで作った似顔絵のスタンプで調子に乗ってる芸能人や政治家を一刀両断、小馬鹿にする能力は神の領域だった。
ホットドッグ・プレスで彼女の連載にしびれ、その後噂の真相でも楽しませてもらった。(とおもうが媒体名は忘れた)
あの当時は本当に面白い雑誌があったよね、本屋とコンビニの本棚が輝いていた。ホットドッグ・プレス、ポパイ、メンズノンノ、朝日ジャーナル、広告批評…優秀な編集者が多い時代だった。
若き日のいとうせいこうさんがナンシー関さんをホットドッグプレスでデビューさせたらしい。
ナンシー関さんもビックリハウス等当時の雑誌文化の洗礼を受けた人だった。
ウィキペディアによると仕事をしながらたくさんのピースを吸い、体重も間食のせいで多かったみたいだ。
誰もが健康に気をつけて!、とアドバイスをしたが、若いときはそんなアドバイス無視するよね。
結果、若くして倒れて亡き人になってしまったのは日本の出版文化のみならず日本文化の損出だと思う。
当時の森総理のスタンプに「俺って馬鹿だから」と文字を添えたスタンプなんかは国立博物館に保存すべきなんだけど、(今や新聞も政治画を批判しない)今その歴史遺産としてのスタンプがピンチらしい。
彼女が作ったゴムスタンプ(5000余)が経年劣化により崩れ始めているらしい。
今、クラウドファンディングでこのゴムスタンプを3D化して保存が効くようにしたうえで、さらに公開していこうという動きがあるそうだ。
クラウドファンディングのサイトの情報がXで回ってきた。
昔のゴム印を保管するすることで、彼女の偉業に共感して、若いのに汚職にまみれた政治家を擁護するような発言しかできない若者ではない、健全な批判精神が蘇ることを望む。
ナンシー関よ、再び!(別に消しゴムスタンプじゃなきゃいけない理由は何も無い)