少し愛して、長く愛して

 高度成長期、と呼ばれる時代の日本のCMは輝いていた。


一流のクリエーターを使って、CMが作られた。

特にサントリーは勢いがあった。

サントリー宣伝部(前身の寿屋?)は開高健、山口瞳から始まってる、と言えば、その勢いもわかるだろう。


サントリーレッド、オールドのCMを十年に渡り演出されたのが市川崑監督で、主演が大原麗子。音楽は服部克久さんだった。

この編集された素材の一部は天敵小林亜星さんの作品と言う説もあるが、聞いてると、あ、服部サウンド、とわかる曲だ。美しいメロディにゴージャスな弦楽器の響き。最後の終わり方の和音の響き、全てに服部克久と刻んである。


音楽畑、というアルバムに初期のCMソングはかなり納められているか他ブランドのCMで、レッド/オールドのCMの曲は「春雷」と言うのか唯一残されている。

優れた音楽家も腕をふるう舞台が必要で、サントリーのたくさんのCMソングは今聞き返すと、ザッツ服部克久の塊だ。